ジェロームは、経験とは年数で計るものではなく、文化に浸ることで得られるものだと信じ、淡々とした自信に満ちています。彼のアプローチは、革新的なものです。「伝統的なパターンを使うのが好きですが、いつも現代風にアレンジしています。」モルトンブラウンのためのデビューフレグランス「スエードオリス」は、１６世紀のフィレンツェの調香を取り入れた新しい試みでした。

ジェロームにとって、香水は科学の勉強とデザインへの情熱を結びつけた直感的なものとなりました。彼の香りの教育は、ベトナムの川を漕ぎ、モロッコのスークを探索し、オマーンでインセンスウォーターを飲むという独特な旅から生まれました。その過程で、彼はローズオイル、スパイスの熱、シダーウッドの芸術的なオーダーメイドの香りについて学びました。

 彼は、フレグランスを情熱的に再解釈することで、人々の考え方をも変えようとしています。スエードオリス　オードトワレは、香りのついた革手袋を身に着けるファッションの先駆者であるフィレンツェの貴族、カトリーヌ・ド・メディシスからインスピレーションを得たものです。「オリスは古臭いという考え方に挑戦したのです。パウダリーでありながらもモダンでありたいと考えました。」